「海からの地下鉄」 


 海からの地下鉄に乗って          

 街へ帰る                 


 ゆうべ仲間と騒いだ浜辺も今は遠く     

 二人きりで車輌の長イスに並んでいる    


 話しかけようとして彼女を見ると      

 旅の疲れだろう              
 
 うたたねしていた             
                     

 その後は                 

 時々彼女の可愛い頭突(づつ)きを         

 左肩に感じながら             

 「この恋を どんな言葉で打ち明けようか」 

 などと考えていた